学園一の完璧王子は、私にだけ【冷徹な本性】を隠さない。

(あ、落ちる……!)
 ぎゅっと目を瞑ったけれど、床の硬い痛みは来なかった。
 その代わりに、男の子の力強い腕が、私の体を横からきゅっと抱きとめた。
 
「……危なっかしいな。大丈夫だから、落ち着け」
 すぐ耳元で、蓮先輩の低い声がした。
 真っ暗闇のなか、先輩の体にすっぽりと包み込まれるような形になって、私の心臓が跳ね上がる。