学園一の完璧王子は、私にだけ【冷徹な本性】を隠さない。

 先輩がすっと手を伸ばしてきた。
 また手首を掴まれるのかと思ってぎゅっと目を瞑ったら——
 ポン、と、私の制服のブレザーのポケットに、何かが押し込まれる感触がした。
 
「え……?」
 驚いて目を開けると、蓮先輩はすでに背を向けて、スタスタと階段の方へ歩き出している。
 慌ててポケットの中に手を入れると、そこには、小さくて可愛いラッピングがされた、未開封の高級そうな焼き菓子の袋が入っていた。