学園一の完璧王子は、私にだけ【冷徹な本性】を隠さない。

 それから一時間。黙々と作業を続けていると、さすがに肩や首がガチガチになってきた。
「うぅ……」
 思わず小さくため息をついて、首をコトコトと回した、そのとき。
 
 急に背後に気配を感じて、心臓が跳ね上がった。
 
「……手、止まってる」
 耳元のすぐ近くで、蓮先輩の低い声がした。
 いつの間に近づいてきたのか、先輩は私の椅子の背もたれに両手を置いて、後ろから覗き込むように私を完全に閉じ込めていた。
 先輩の綺麗な黒髪から、かすかに爽やかなシトラスの香りがして、頭がクラクラする。