恐怖探偵団と死神運動会

(今のところ、三組は三位。このままの順位を保ったまま次に繋げたいわね)

麗奈はそう思いつつ、マットの上を歩いていく。ピンポン玉を落としてしまうとタイムロスに繋がってしまう。それだけは避けたいと思っていた。

「れいにゃ〜!!頑張れ〜!!」

「麗奈〜!!」

蕾や亮太の応援する声が聞こえ、麗奈はフッと笑ってしまう。これほど応援されたことはこれまでの人生で一度もなかった。それに気付いた刹那、麗奈の心にまた影が落ちる。

「頑張れ〜!!こうた〜!!」

「ひまり〜!!頑張れ〜!!」

保護者の応援する声が聞こえてくる。あの中に、麗奈の両親はいない。麗奈が運動会に出場していることも知らず、二人は東京で働いている。今日、麗奈が運動会に参加することは、家政婦として家に来ている黒瀬美奈子(くろせみなこ)ですら知らないのだ。

(私を応援してくれる大人は、この中にはいない……)

そう麗奈が思った刹那、バランスを崩してしまう。ピンポン玉がおたまから落ち、砂の上を転がっていく。