恐怖探偵団と死神運動会

「猫宮は緊張してないの?大勢の保護者に見られながらダンスしたりするのよ?それに、空を見てみなさいよ。死神があんなにいるの」

「うん。あたしも緊張してる。でも、みんながいるから怖くない!」

横から亮太が「そうだぞ!」と口を挟む。

「お前一人で戦うわけじゃねぇ。これは俺ら全員の戦いだ。泥舟に乗ったつもりでいれば大丈夫だぜ!」

亮太はグッと親指を立てて笑うものの、麗奈は呆れてしまう。

「雷、泥舟に乗ってどうするのよ。一瞬で沈没しちゃうじゃない。「大船に乗ったつもりで」でしょ」

「そうとも言う!」

「そうとしか言わないわよ!」

まるでコントのようなやり取りに、周りにいた生徒たちがクスクスと笑う。翼は呆れ、優斗は微笑ましく見つめ、桜と鞠と日向はお腹を抱えて笑っていた。

「ちょっと!雷のせいで変な空気になったじゃない!」

「え〜。俺のせいかよ〜」

麗奈が真っ赤に染まった顔を俯かせていると、運動会実行委員会の生徒が『これより、若葉台小学校第○○回運動会を開始します!』とマイクを手に言った。生徒、教師、保護者の拍手が湧き起こる。

(いよいよね……)

麗奈は、人を物色するように眺める死神を睨み付けた。