嫌いなキミの優しさ






あの日、私は伊織を嫌いだと思っていた。


意地悪で


素っ気なくて


何を考えているか分からなくて


でも本当は――


誰よりも私を見てくれていた


私が困らないように


私が笑っていられるように


誰にも気づかれないところで、ずっと私を守ってくれていた


「伊織」