私は偶然、伊織と直樹の会話を聞いてしまった。 「いつまで隠すんだよ」 「……別にいい」 「花音、鈍感すぎるぞ」 「分かってる」 「好きなんだろ?」 「……好きだよ」 私は息を止めた。 心臓が、大きく鳴った。 伊織が――私を? その夜、私はなかなか眠れなかった。