ふわふわの雲みたいな草原ブロックの上で泣きそうになっていると、背後から声がした。
「新しいプレイヤーか……」
声の主は男の子っぽい。ちょっぴり低い声けど心地よい声だった。
「だれ?」
振り返ると白いフードをすっぽりと被って、マスクをした少年が岩石ブロックの上で座っている。
「俺の名前は『シロ』。ゲームでの名前だけどな。たまにお前みたいな新規プレイヤーが来るから手伝いをしてやっているんだ」
シロという名前の少年は少しだけあたしより背が高い。まあ、ゲームの世界での身長なので現実ではわからないけれど。
「シロくんは優しいんだね。新規プレイヤーの手伝いをしてくれるなんて……」
「優しくなんかねーし……あんたが泣きそうだったからさ。いきなりゲームの世界に来たら戸惑うのが普通だからな。もっとも、中にはゲームの世界にワクワクするってやつもいるけどね」
シロくんと話をしているうちに心の中の雨雲がどっかに行っちゃって、あたしもゲームの世界のワクワクに胸をときめかせていた。現実だったら宿題をしなくちゃいけないし、遅くまでゲームをしていたらお母さんに怒られちゃうし。でも、ミラクルボックスの中だったらずっとゲームをしていられる!
「ねえねえシロくん! この世界ってなんなの? ミラクルボックスの中? どういう仕組みなの?」
「お前もとんだゲーマーだな。一つずつ説明していくぜ。ミラクルボックスっていうのは、世界中のユーザーが自由にゲームを作ってみんなに遊んでもらえる仕組みっていうのは知っているだろう?」
「うん! あたしも簡単なゲームなら作ったことがある。ほとんど遊んでもらえなかったけれどね。えへへ」
「そのミラクルボックスの中に新登場したのが、ユーザーのゲームの世界に閉じ込める『バグドリーム』だ。一体何人のユーザーが閉じ込められているのかもわからねぇ。ただ、ルールがあって、体力がゼロになると現実に戻れる」
「なら簡単じゃん、敵にやられて体力をゼロにすればいいんでしょ?」
シロくんは目を閉じながら、ゆっくりと左右に首を振った。
「いいや、やられて現実に戻ると罰を受けるらしい。大切な記憶が消えたり……」
「そんなの嫌だよ! あたしの記憶はあたしのものだもん! どうやったらクリアできるの?」
「この世界は少しずつ消滅している。バグでな。それを直せるプログラマーなら世界を作り直せるかもしれない。俺たちの目標は世界を作りながら、世界の果てにある宝物……エンドレスを手に入れることさ。ご褒美にどんな願いも叶えてくれるらしいぜっ! 海外のユーザーの中には自分からバグドリームに参加することを望んでる奴もいる」
世界の果てにあるエンドレスか……。なんだかワクワクしてきた!
「よーしっ! あたし達でエンドレスを手に入れましょう!」
あたしの瞳はめらめらと炎が燃えていたと思う。
「ったく、現金なやつだぜ。夢ってなんだ? お金か?」
「わかんないっ! わかんないけど、こんなに難しいゲームなら一番にクリアしたいじゃないっ! ゲーマーの血が騒ぐわっ! 何がなんでもエンドレスを手に入れるぞー! ね、シロくんっ!」
「勝手に俺を仲間にしてんじゃねぇ! ったく、仕方ねぇな。途中までなら手伝ってやるよ。お前みたいな奴は初めてだぜ」
パーカーのポケットに手を突っ込みながら、シロくんは呆れたようにあたしの後ろをついてきた。
「あたしの名前はお前じゃなくて、白石理花だよ。リカって呼んで」
「新しいプレイヤーか……」
声の主は男の子っぽい。ちょっぴり低い声けど心地よい声だった。
「だれ?」
振り返ると白いフードをすっぽりと被って、マスクをした少年が岩石ブロックの上で座っている。
「俺の名前は『シロ』。ゲームでの名前だけどな。たまにお前みたいな新規プレイヤーが来るから手伝いをしてやっているんだ」
シロという名前の少年は少しだけあたしより背が高い。まあ、ゲームの世界での身長なので現実ではわからないけれど。
「シロくんは優しいんだね。新規プレイヤーの手伝いをしてくれるなんて……」
「優しくなんかねーし……あんたが泣きそうだったからさ。いきなりゲームの世界に来たら戸惑うのが普通だからな。もっとも、中にはゲームの世界にワクワクするってやつもいるけどね」
シロくんと話をしているうちに心の中の雨雲がどっかに行っちゃって、あたしもゲームの世界のワクワクに胸をときめかせていた。現実だったら宿題をしなくちゃいけないし、遅くまでゲームをしていたらお母さんに怒られちゃうし。でも、ミラクルボックスの中だったらずっとゲームをしていられる!
「ねえねえシロくん! この世界ってなんなの? ミラクルボックスの中? どういう仕組みなの?」
「お前もとんだゲーマーだな。一つずつ説明していくぜ。ミラクルボックスっていうのは、世界中のユーザーが自由にゲームを作ってみんなに遊んでもらえる仕組みっていうのは知っているだろう?」
「うん! あたしも簡単なゲームなら作ったことがある。ほとんど遊んでもらえなかったけれどね。えへへ」
「そのミラクルボックスの中に新登場したのが、ユーザーのゲームの世界に閉じ込める『バグドリーム』だ。一体何人のユーザーが閉じ込められているのかもわからねぇ。ただ、ルールがあって、体力がゼロになると現実に戻れる」
「なら簡単じゃん、敵にやられて体力をゼロにすればいいんでしょ?」
シロくんは目を閉じながら、ゆっくりと左右に首を振った。
「いいや、やられて現実に戻ると罰を受けるらしい。大切な記憶が消えたり……」
「そんなの嫌だよ! あたしの記憶はあたしのものだもん! どうやったらクリアできるの?」
「この世界は少しずつ消滅している。バグでな。それを直せるプログラマーなら世界を作り直せるかもしれない。俺たちの目標は世界を作りながら、世界の果てにある宝物……エンドレスを手に入れることさ。ご褒美にどんな願いも叶えてくれるらしいぜっ! 海外のユーザーの中には自分からバグドリームに参加することを望んでる奴もいる」
世界の果てにあるエンドレスか……。なんだかワクワクしてきた!
「よーしっ! あたし達でエンドレスを手に入れましょう!」
あたしの瞳はめらめらと炎が燃えていたと思う。
「ったく、現金なやつだぜ。夢ってなんだ? お金か?」
「わかんないっ! わかんないけど、こんなに難しいゲームなら一番にクリアしたいじゃないっ! ゲーマーの血が騒ぐわっ! 何がなんでもエンドレスを手に入れるぞー! ね、シロくんっ!」
「勝手に俺を仲間にしてんじゃねぇ! ったく、仕方ねぇな。途中までなら手伝ってやるよ。お前みたいな奴は初めてだぜ」
パーカーのポケットに手を突っ込みながら、シロくんは呆れたようにあたしの後ろをついてきた。
「あたしの名前はお前じゃなくて、白石理花だよ。リカって呼んで」

