まぁ、キライだとしても、泣いてるところを放置するほど薄情ではないので、とりあえずハンカチを差し出した。 「大丈夫?」 「んだよ」 「なんでそんなに泣いてんの?」 「泣いてねぇし」 いや、泣いてるし。 ボロボロとまばたきもせずに泣き続ける郷田。 しかたなく手ずからハンカチを当ててやれば、郷田はやめろとでもいわんばかりに顔を背ける。 猫かよ。 いつも几帳面に梳かれていたはずの黒髪はボサボサになってる。 腹立つほど綺麗なお顔も、大惨事だ。