隠しきれない美少女~地味子を独占したいイケメンたち!?~

う~ん、届かない。

上に風船を付けようとしているけれど、身長が低くて大変。

「ここにつければいいの?」

「ありがとう。そこでいいよ」

涼くんが、代わりにつけてくれた。

自分の身長が低いことを心底恨む。

明日から、牛乳をたくさん飲んで身長を伸ばそうかな……?

「よし、できたー!」

きれいに飾りつけされた部屋に、かわいいケーキ。

「早速、トランプとかやろうよ」

「ババ抜きとかどうだ?」

「賛成!」

ババ抜き…。久しぶりにやるな、負けるわけにはいかないね!

配られたカードを見て、それっているものを出していく。

「やった、私残り三枚」

「俺は九枚…」

順番に隣の人から引いていくけれど…

「やった、一番!」

「…あがり」

「おれも終わったよ」

「四位か…」

凪咲くん、高嶺先輩、涼くん、柊先輩の順番であがって残りは、私と朝陽くんだけ。

今、ジョーカーを持っているのは私。

「これだ……やった! あがり!」

「はじめは一番少なかったのに…」

あっけなくやられてしまって最下位。

「もう一回やりましょう!」

「次は、大富豪にしないか?」

大富豪をやった後は、スピード大会、ポーカー、ババ抜き、などをやったけれどすべて最下位。

「おまえ弱すぎ(笑)」

一回も勝てないんなんて…

「運が悪かっただけだよ」

「もう一回やるか?」

涼くんも柊先輩もやさしい……

すると、口の中に甘い味が広がった。

「おいしい?」

凪咲くんが私の口にケーキを入れて、かわいく首をかしげている。

「うん! おいしい」

「結衣はたくさん負けちゃったから、ケーキいっぱい食べていいよ!」

凪咲くんのやさしさに感謝しながら、ケーキをほおばった。

「ありがとうっ」

もう一口ほおばると、ほっぺたがとろけそうになった。

「おいし~」

思わず顔がふにゃっとなった時、視線に気づいてみんなのほうを見る。

高嶺先輩を除いて、みんな顔が真っ赤になっている。

「この部屋暑い? クーラーつける?」

私はそこまで暑いわけじゃないけれど、みんなは暑いのかもしれない。

「そうだ! みんなにプレゼント買ってきたんだよ」

そういって、紙袋をあさる

「凪咲くんと朝陽くんと涼くんには甘いアイスで、柊先輩と高嶺先輩には、チョコチップクッキーで
す」

「…もらっていいの?」

「もちろん! お口に合うかわからないけど」

「いっただっきまーす」

朝陽くんがパクっとほおばって目をキラキラさせた。

「めちゃくちゃうまい!」

「いただきます」

柊先輩も喜んで食べてくれて、安心。

高嶺先輩はというと…

「玲、食べないのか?」

柊先輩に聞かれて、一つつまみ出すとパクっと食べて少し目を輝かせた。

「…おいしいですか? いやだったら無理して食べなくても…」

「おいしい…」

私が言いかけたところで、さえぎるように言った。

すると、もう一つ手に取って食べ始める。

「玲くん、相当おいしかったんだね」

凪咲くんはにやにやしながら高嶺先輩を見ている。

「玲先輩はツンデレなんですね」

涼くんまで…。私は素直に喜んでくれてうれしいけど。

プルルルル、プルルルル

「誰かスマホなってるよ」

着信音がなった方を見ると、私のスマホだった。

「ちょっとごめんね」

…お兄ちゃんだ。どうしたんだろう?

「お兄ちゃん、どうしたの? なにかあった?」

『ううん、なんにも。そっちは楽しい?』

「うん! おいしいケーキ食べたりトランプしたりして楽しいよ。トランプでは一回も勝てなかった
けどね…」

『そっか(笑) もう少ししたら帰ってくるんだよ?』

笑わないでよっ

「うん。じゃあね」

楽しめているのか心配してくれたのかな?

「だれからだったの?」

凪咲くんが小首を傾げた。

「お兄ちゃんだよ。楽しめてる? って心配してくれてたんだ」

「えっ…、結衣って兄妹いたの!」

凪咲くんが驚いたように目を見開いた。

「うん、如月竜斗っていうんだけど…いったことなかったっけ?」

そういえば朝陽くんも驚いていたようにな気がする。

「竜斗先輩と兄妹なら、テニスが上手なのも納得」

涼くんがうんうんとうなずいた。

「涼くんも知らなかったの?!」

「うん。今初めて聞いたよ」

涼くんは顔に出さなかったから、てっきり知っているのかと思った!

「別に竜斗も隠しているわけじゃないから、俺の学年はみんな知ってるぞ」

柊先輩の一言に私がびっくり

みんな知っているなんて… お兄ちゃんはイケメンでかっこいいけど、私はこんなに地味だから似て
ないって、逆に目立ってるかもしれない…。

でも、私が可愛くなる方法なんて一億年考えてもだれも思いつかないよぉ。

「へぇー、似てないから気づかなかった」

ぐさっ

やっぱりぃ~

「凪咲、結衣に失礼だよ」

「えへへ、ごめんなさい」

こんなにかわいい笑顔で誤られたら、何も言い返せない。

「あっ…」

一人クッキーを食べていた高嶺先輩が何やら声を上げた。

「玲、どうしたんだ?」

「いや…。来週の大会が決まった」

そういって、柊先輩に話す高嶺先輩。

「観戦にこいつらもよんでやろうか」

「絶対に来るな」

話に追いつけていけているのは二人だけらしくて、その他の私たちははてなをたくさん浮かべてい
る。

「な、なにの大会なんですか?」

私が聞くと高嶺先輩は何でもないといった様子で答えた。

「サッカー…」

「玲…」

あきれたようにうなだれている柊先輩。

サッカーか…確かに上手だったし楽しそうだったから納得。

「もしかして…高嶺蒼選手って玲先輩なんですか?」

「あぁ、そうだ」

その言葉を聞くと柊先輩はさらに頭を抱えてしまった。

「まじか…」

「確かに似てると思ってたけど、玲くんだったなんて」

心底驚いている私たちと違い、なとっくしているような涼くん。

「やっぱり、いろいろ似てると思ったんですよね~」

確かに言われてみれば顔も全く一緒で、名前が違うだけ…

「一応隠していたんだが…隠す気もなくなったらしい…」

柊先輩によると、ただでさえ女の子たちに人気な高嶺先輩。

それにこのことが知られると高嶺先輩が困ってしまうから柊先輩が隠すように言っていたらしい。

なんだか私とは理由が大違いでびっくりしてしまった。

「私もこんな理由で隠していたらいいのになぁ」

すごく小さな声でため息をついた。