隠しきれない美少女~地味子を独占したいイケメンたち!?~

「おはよう」

「おはよー、結衣」

今日も可愛い笑顔で飛びついてくる凪咲くん。

「そういえば、朝陽くん、陸上の大会すごかったね! あんなに速く走れるなんてかっこいい」

「あ、あたりまえだろ! おまえみたいな地味なやつにはわからないかもしれないけどな!」

地味なのは認めるけど…関係あるのかな?

「朝日は、素直じゃないなー」

「なっ、なにいってんだよ」

涼くんが説明してくれた言葉を、全力で否定する朝陽くん。

まぁ、うれしかったならよかった!

「そういえば、もうすぐ文化祭があるよね」

「確かに! 文化祭楽しみだったんだよね!」

「ちなみに、人気順にランキングをつけて一位は、スポーツワールド一日貸し切り券がもらえるらしいよ」

スポーツワールド貸し切り券…絶対に優勝しないとっ!

あっ、ちなみにスポーツワールドっていうのは世界最大級のいろいろなスポーツが体験できる施設。

コートとかもしっかり合って、この学校に通っている人なら人生に一度は行きたい場所。

そこを一日貸し切りなんて…お金持ちはすごい!

「絶対優勝しようね」

「うん、スポーツワールドは行き飽きたけど一位っていうのは悪くないね」

…ん? 今、涼くん行き飽きたって言った? 

こっちのお金持ちもすごい…

私この場に合っていない気がする…

そして最後の授業で文化祭の出し物を決めた。

「なんか、案がある人いますかー」

学級委員の涼くんが言ったすぐ後、かぶせるように凪咲くんが提案した。

「コスプレカフェとかが良いと思うよ。高く出しても疑われにくいしねっ!」

カフェって案は良いと思うけれど…理由がちょっと…

あと、コスプレは恥ずかしい…

「売り上げを伸ばすならそれが一番だけど、なんか物足りないつーか…」

確かに。カフェってだけじゃなにか物足りない。

あっ!

「カフェならアイスを出しても良いんだよね? それなら

アイスを丸くしてスポールで使うボールみたいにするのはどうかな…?」

「…」

シーンとなる教室。

しまった! 思ったことをそのまま声に出しちゃったからわかりにくかったかもしれない…!

「えっと、その…」

私がおどおどしていると次の瞬間、教室がざわざわし始めた。

「その案めっちゃ良い!」

「ちょっと難しそうだけど、完成したら可愛いよね~」

「コスプレでユニフォームとか着たら様になるくない?」

いいのかな……?

ひ、ひとまず私の意見が悪くなくてよかった。

「じゃあ、コスプレで自分が持ってるユニフォームとか着てボール型のアイスをだすってことでい
い?」

「うんっ」

「めっちゃいいそれ!」

「楽しそうだね。やる気出てきた」

クラスの意見がまとまったところで早速、準備に取りかかった。

文化祭、絶対に成功させるぞー!



「結衣のクラスは文化祭で何の出し物するの?」

今日の夜ご飯のハンバーグを食べながら聞いてくるお兄ちゃん。

「コスプレカフェだよ。みんなでユニフォームとか来てボールみたいな柄のアイスを作るんだ!」

手を丸の形にして説明する。

「へぇー、そうなんだ。でも、ユニフォームって結衣何着るの? いつもの服着たら『ゆり』だって
ばれちゃうよ」

……そ、そうだった! すっかり忘れてた!

「どうしよう! 私が出した案なのに私が着てこなかったらみんなに幻滅されちゃうよ~」

今さら「やめよう」だなんていえない……

「うーん…。あっ、そうだ! 俺の服貸してあげるよ。俺は別に隠してるわけでもないからさ」

た、確かにそうしたら全てが丸く収まる……なんてことはない!!

「その…気持ちはうれしいんだけど、お兄ちゃんのものを借りてこの先、生きていける気がしない
よ……」

お兄ちゃんは私とは正反対で、イケメンだし気遣いもできるし何より人気者。

お兄ちゃんの気持ちはすっごくありがたいんだけど…、お兄ちゃんの服なんて着たら全人類から妬み
コロされそう…

「そうかな? 俺的には一石二鳥だと思うんだけどな」

一石二鳥?

「と、とりあえず大丈夫だから!」

そう言って残りのハンバーグをくちいに詰め込んで自分の部屋に上がった。

「ごちそうさまでしたっ!」

ベッドに飛び込んで一人、考え事をした。

仕方なくいつもの着ていこうかな…

でも、もしみんなにばれちゃったら大騒ぎになっちゃうし…

「どうしたらいいの~!」