君に溺愛をあげる。

「今日はたきぎ用の枝を取ってきなさい」

継母からそんな命令を受けて、森に来た。

落ちている木の枝を持ってきたカゴに入れていく。

「にゃあ。」

…え?

今の…猫の鳴き声?

重たい荷物を置いて、あたりを見回した。

森の真ん中に、小さな湖があった。そのほとりにある大きな木の下で…小さな猫が丸くなっていた。

「わっ…かわいいっ…」

この世界にも猫がいるんだっ…。

それにあの子、なんだかあの時の猫ちゃんに似てる…。

眠そうにしている猫ちゃんのもとに親猫とおもわれる同じ模様の猫ちゃんがやってきた。

あの親猫も、前の世界てをなくなる前に見た猫ちゃんにそっくり…っ。
 
こんな偶然があるなんて、なんだか運命を感じる…ふふっ。

って、あれ?よくみたら、動物がたくさんいるっ…!

うさぎにとり、鹿もっ…!

こんなふうにみんなが集まって…幸せな空間だな…おとぎ話の一ページみたい。

人間のわたしはお邪魔だろうから、とっとと退散しよう。

「にゃあ。」

そーっと立ち去ろうとしたとき、眠そうにしていた猫ちゃんがいつの間にかわたしの足元にいた。

すりすりと体をすり寄せてくる姿にきゅーんと胸の高鳴りを感じた。

こ、これは、甘えてくれているのかな…?

「さ、さわっても、いいの?」

ゆっくりとしゃがみこんで、そーっと手を伸ばす。

「わっ…もふもふ…かわいいっ〜」

な、なんて幸せなひとときなんだろうっ…。

「えっ…わわっ…!」

ほかの動物たちもわたしのところに歩み寄ってきてくれて、後ろからも前からもぎゅーぎゅーとおされた。

この世に、こんな癒しが存在するなんて…っ。

前世でも今世でも…わたしを癒してくれるのは、いつだって動物みたい…ふふっ。