陽炎に揺れる夢

その夜、私は今日撮った写真を、ベッドの上で一枚ずつ見返していた。

「すごい……」

思わず、そんな声が漏れる。

本当に、これが私の撮った写真なのかと思うくらい、スマホの中には、非現実的な写真がたくさん並んでいた。

後ろ姿や、横向きの写真では、朝比奈君の顔ははっきりとは写っていない。

でも――

正面から、胸元あたりまでしか写らないくらい近くで撮った一枚だけは、彼の綺麗な二重を正確に映し出していた。

両手でマフラーを掴んでいるその目は、楽しそうに微笑んでいる。

仰向けに寝転がり、スマホを高く掲げる。

「朝比奈君の夢が、叶いますように……」

写真の中の彼に、そっと語りかけた。

それから、フード付きマフラーを作ったことを、インスタに投稿して、眠りについた。

横、後ろ、正面。三枚の写真を、一緒に載せて。

その日から、私と彼の人生が大きく変わっていくことを、この時の私はまだ知らなかった……。