ただいまヒロイン代理中!

「……海羽、本当にごめんね」

 その日の夜。私は自分のベッドの上に正座して、スマホを耳に当てたまま頭を下げた。

『もーっ、謝らなくっていいってば! あたしは全然気にしてないし!』

 スピーカーの向こうから聞こえる海羽の明るい声に、少しだけ胸が軽くなった。

『しょうがないよ。好きな人が彼女さんとラブラブデートしてるのを見ちゃったら、誰だって逃げ出したくなるって!』

「ラブラブ……、デート……」

 その言葉を口にした瞬間、昼間の光景が頭の中によみがえって、目からつーっと涙が流れた。