ただいまヒロイン代理中!

 状況が飲み込めなくてポカンとしていると、いつの間にか隣にいた駿くんが説明してくれた。

「今まで内緒にしてたんですけど、今日のためにみんなで準備してたんですよ」

「そ、そうなの……⁉」

「みんな、お前がここに来るのを待っていたからな」

 蓮が私をゆっくり床に降ろしながら、フッと優しい微笑みを浮かべた。

「ほら、行くぞ」

「う……、うんっ!」

 結局、私は『十六夜美月じゃないんです』という誤解を解くタイミングを、見つけることはできなかった。

 けれど、黒龍のみんなが、私をあたたかい笑顔で迎えてくれている。

 私のために、こんなに盛大なパーティーを準備してくれたんだと思うと、胸の奥がじんわりと熱くなった。

 ……まあ、今回はいっか。今は美月さんとして、このときを、存分に楽しもう!

「みんな、本当にありがとうっ‼」

 私は黒龍のみんなと一緒に、この夢が覚めるまでずっと騒ぎまくった。