ただいまヒロイン代理中!

 顔を上げた蓮の真剣な眼差しに、胸の奥がざわりと波立つ。

「えっ? どうして⁉」

「この小説が抱えていた問題が、綺麗さっぱり解決したからだよ」

「そっかあ……」

 とたんに、胸の奥がふっと軽くなったような、でも同時にずしりと重くなったような、不思議な感覚に陥った。

 私が美月さんの代理をする必要は、もうなくなった。

 そう。この物語の中で、私の役割は終わってしまったんだ。

「なんか、寂しくなっちゃうね……」

 クスッと笑ったつもりだったのに、目のふちから熱い涙が一粒、ぽろっとこぼれ落ちる。

 あわてて指で拭っても、それは次から次へとあふれていく。