ただいまヒロイン代理中!

 目を開けると、私はぽつんと一人で立ちつくしていた。

「あれ? ここは……」

 あたりをぐるりと見わたすと、そこは、以前にも来た覚えがある、何もない真っ白な空間。

(ここって、主人公を失った小説の成れの果ての世界……、だよね?)

 舞さんに頼んで書いてもらった小説の続きでは、蓮と美月さんはハッピーエンドを迎えていた。

 なのに――、実際のこの世界は何も変わっていなかった。

「嘘だよね……? こんなの、ただの悪い夢……」

 震える声でつぶやいても、誰からも返事はない。

 もしかして、蓮はこの世界に飲み込まれて消えてしまったんじゃ? と、最悪な想像に頭を抱えたそのとき。