ただいまヒロイン代理中!

「あとね、天宮さん」

 香住先生は恥ずかしそうにクスリと笑うと、こう付け加えた。

「ここだけの話。よく誤解されるんだけど、私には物語を作る想像力なんてないの。小説を読むのは好きだけど、ゼロから自分で書いてみるなんて、考えただけでも逃げたくなっちゃう」

「そうなんですね……」

 そっかあ。マイさんは、香住先生でもないのか……。

「天宮さん、大丈夫?」

「はい……。呼び止めちゃってすみません。でも、質問に答えてくれて、ありがとうございました……」

 完全に途方に暮れた私は、ふらふらと学校を出た。

 そしてそのまま、帰り道を歩いていると、

「天宮?」

 最寄り駅に差しかかったところで、急に名前を呼ばれた。