ただいまヒロイン代理中!

「え? 見たことない……。これ、誰の携帯なの?」

 蒔田先生は、眉をひそめて首をかしげた。

 予想外の反応に、私はまばたきを繰り返す。

「じゃ、じゃあこのガラケーは……?」

「私のじゃないよ。そもそも、当時からシンプルなものが好きだったから、こんなにギラギラデコってないしね。あと、誰かにメールで小説を送ったこともないよ」

 先生は少し困ったように微笑みながらも、はっきりとした口調で言った。

 思わず、『そうなんですね』と引き下がろうとしたけれど、もう一人の私が『まだダメ!』と引き止める。

 ……そうだ。この証言だけで、蒔田先生がマイさんである可能性は、まだ消えていないはずだ。