ただいまヒロイン代理中!

「詩乃ちゃん、何頼むの?」

 向かいの席に座っていた男の子が、明るく声をかけてきた。

「私? オムライスにしようかな」

「えーっ? ここに来てオムライス?」

 男の子が片方の口角を上げてクスッと笑う。

 今の何? 私の思い過ごしならいいけど、ほんの一瞬バカにしたよね?

「どうせなら、人気ナンバーワンの海鮮パスタにしたほうがいいよ~。絶対そっちのほうがおいしいって!」

 そう言いながら、タブレットの画面に映る海鮮パスタの写真を、トントンと人差し指で叩く。

 その仕草を目にした私は、思わずきゅっと唇を真横に結んだ。

(おすすめしてくれるのは嬉しいけど……。人が選ぼうとしてるものを、『ここに来てオムライス?』って笑わないでよ……)

「あ、あはは……。教えてくれてありがと~……」

 とりあえず、ここは笑顔でかわして、オムライスを注文した。

 しばらくジュースを飲みながら、店員さんが来るのを待っていると、