このクズを誰にも渡したくない

話してる時、いつも平能は可怪しかった。

清水と話す時は嬉しそうで、少し顔が赤い。

清水のことを話す時は少し恥ずかしそう。

「なぁお前って清水のこと好き?」

俺がそう聞くと平能は無自覚だろうが顔を赤くした。

「んーーーー別に?ふつーに友達」

口調は変わってない。

嘘をつくのがとことん下手な平能はこんな器用な嘘をつけない。

だからきっと・・・・・・本気で本人は気づいてない。

そんな状態のとき、清水の記憶から俺が消えた。

もしかしたら清水に俺がいない間に平能を好きになるんじゃないか。

そうとも思った。

『ひい』

小さいときのその呼び方で呼べば記憶が戻るんじゃないか。

そう考えたから俺は実行した。

平能だけ呼んだのはもし戻ったとしたら平能に記憶が戻ってから自覚させてみたかったから。

ライバルは少ないほうが良い。

でも、平能はいつか気付く。

だから今のうちに自覚させるのが一番都合がいいと自分で考えてもクズな思考で行った。