このクズを誰にも渡したくない

「「・・・・・・?」」

そう声を漏らしてしまったせいで二人が空気だった俺に気付く。

「どうした・・・・・・?」

染樹は俺に近付いてくるから俺はすぐに背を向けて保健室のドアに手をかける。

「じゃあ」

「・・・・・・うん・・・・・・?」

二人の不思議そうな視線を背中から受けながら俺はできるだけ早く教室に戻ろうとした。

俺は大急ぎで走る。

教室に早く着くために。

自分の気持ちを風で飛ばすために。

「嘘だろ・・・・・・嘘だろ、嘘、嘘だろっ・・・・・・」

俺はそう言いながら俺は必死で走る。

ガッ

教室のドアを開けると驚いたような顔の佐々木と陸が目に入った。

「お、俺っ・・・・・・」

そこまで言って俺は口を紡ぐ。

「「どした・・・・・・?」」

佐々木と陸の声が聞こえて俺は顔に熱が集まるのを感じる。

そのままバッとドアから離れてまた廊下を走り出す。