このクズを誰にも渡したくない

「違うし・・・・・・あいつのことなんか・・・・・・」

っ・・・・・・。

『あいつ』

清水は絶対に女を指すときにはあいつなんて使わない。

清水が佐々木に言う『あいつ』はつまり男だ。

「あいつって誰だよ」

俺はつい、足を進めてそう言ってしまう。

「っ!」

何故か俺が声をかけた途端、声にならない声を出した。

「・・・・・・染樹・・・・・・」

振り向いた清水は少しキレてるような表情で俺を見る。

「あいつって誰だ」

それに構わず俺が言うと、清水はまた振り向く。

「うるさい。理、行くよ」

私は呼び止める染樹を無視してもう一度理の手を掴み歩き出す。

「・・・・・・馬鹿が」

俺はそう呟いたが、清水にそれが聞こえてるわけがない。

清水に近付く男は基本的に清水に惚れてる奴等だけ。

彼女がいようと関係無しに。