聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました

 雪がちらつく、冬の厚い雪雲に覆われた昼の空。
 聖女であり、聖女名をアンナと名乗る十八歳の少女は魔物が出現する森でうつ伏せになって倒れている。
 (さむい……)
 聖女アンナはその森へ魔物と戦う聖騎士団長と魔物を討伐するためにやってきていた。
 アンナは一緒に森へ来ていた聖騎士団長に置いていかれて、いつ魔物が現れるか分からない森の中で倒れている。
 (だめ……、身体が動かない……)
 アンナは指先に力を入れるが、指を動かす事もできない。
 アンナの緩く開いた、聖女のロザリオを握る手に雪が積もっていく。
 アンナは気づくと体調に異変を感じ、体調不良が続いていた。
 アンナは体力の限界に加えて発作も起きてしまい、自力で起き上がる事ができない。
 アンナの腰まであるくすんだ桃色の長い髪は身体を覆うように乱れて広がっている。
 氷のように冷たい地面が倒れているアンナの身体を冷やし、冷え切った北風がアンナに吹きつけて体温を奪う。
 (わたし、このまま死んじゃうのかな……)
 魔物が現れる森に聖騎士以外の人間は足を踏み入れない。
 アンナはこのまま誰にも見つけられずに凍死してしまうのだろうかと不安がよぎる。
 アンナは薄れゆく意識の中で死を意識していた。