私の居場所は、大好きなみんなが過ごす世界でした

夏、秋、冬と季節が巡り、私がこの世界に来てから、半年程が経過した。

「優斗、明けましておめでとう」

そして、今日は元日。

といっても、私の世界ではもうすぐ、一月二日になってしまうけれど。

半年間で、私たちの関わり方は少しずつながら変化していき、最近は優斗に敬語を使わなくなり、呼び捨てにもなった。

「明けましておめでとう」

ピンポーン。

優斗の言葉と同時に電子音が響いた。

優斗は、不思議そうに玄関に向かう。

私はてっきり、誰が来たのか知ってるのかと思ってた。

少しすると、優斗ともう一人のなぜか聞き覚えのある声が聞こえてきた。

優斗と私が居る部屋にやってきたのは、蘭さんだ。

推しを間違えるはずがない。

「えっと、蘭さんですよね?」

私は、もし人違いだったらなんて思ったけれど、口が先走っていた。

こんなに推しに会えるという、好都合なことあるのだろうか。

「陽菜、蘭のこと知ってたんだ。俺は、初対面だったけど」

「アニメ、見てたからね」

蘭さんのアニメは、優斗とは違うバトルアニメ。

そして、蘭さんは高校生という設定。

それから、優斗は蘭さんに何かを説明している。

きっと、私がこの世界に初めて来た時に聞いたことだろう。

◇◇◇

「あっ、陽菜。もう来てたんだ。昨日ぶりだな」

数日後。優斗と話していると、蘭がやってきた。

「蘭さん、隣は晴翔さんですよね?」

隣には、蘭さんの先輩という設定のキャラクターである、晴翔さんらしき人がいた。

またしても、私の推しだ。

「陽菜と先輩は初対面だよね?知ってたんだ」

蘭さんは、不思議そうに訊ねる。

晴翔さんも、なんで知ってるのと言外に匂わす。

「厳密には初対面ですけど、アニメ見てたので私の中では、初対面じゃないような感覚ですね」

「そっか。今日は長居はできないから、また来たときは色々話そう。陽菜」

晴翔さんの言葉を最後に、今日はお開きになった。

この世界は一体、どうなっているのだろう。

私の推しが次々に現れ、私のことを否定したりしない。

夢みたいに理想すぎて、逆に怖くなってきた。