その手を、もう離さない


「……」

美都は何も言わない。

言えない。

恋人。

その言葉の破壊力が強すぎた。

胸がうるさい。

心臓が苦しい。

幸せなのに。

どうしてこんなに苦しいんだろう。

「神城くん」

「……」

「照れてる?」

美都が睨む。

でも。

全然怖くない。

耳が真っ赤だから。

翡翠は吹き出した。

「ほんとに照れてる」

「うるさい」