その手を、もう離さない



昼休み。

いつもの踊り場。

扉が開く。

翡翠が入ってくる。

そして。

二人きりになる。

沈黙。

長い沈黙。

気まずい。

昨日まで平気だったのに。

今日は無理だった。

「……」

「……」

先に耐えられなくなったのは翡翠だった。

「神城くん」

「何」

即答。

でも目は合わせない。

翡翠は少し笑った。

そして。

小さく口を開く。