その手を、もう離さない


「分かりやすいなぁ」

「うるさい」

「耳真っ赤だよ?」

美都は反射的に耳を隠した。

その反応がまた可愛い。

翡翠はもう駄目だった。

笑いが止まらない。

付き合う前は。

もっと怖かったのに。

今は。

全部愛しい。

「ねぇ」

翡翠が少し身を乗り出す。

距離が近付く。

美都が固まる。

逃げられない。

翡翠は悪戯っぽく笑った。

「恋人の特権って何だと思う?」

突然だった。

美都は眉を寄せる。

「知らん」

「考えて」

「面倒くさい」