その手を、もう離さない


付き合って三日目。

神城美都は気付いてしまった。

恋人というのは。

想像以上に厄介だ。

教室へ入る。

窓際の席。

翡翠が友達と話していた。

笑っている。

楽しそうに。

それだけなのに。

目が離せない。

付き合う前はこんなことなかった。

いや。

あったのかもしれない。

気付いていなかっただけで。

「おはよ、神城くん!」

翡翠が気付いて手を振る。

その瞬間。

周りの視線が集まる。

美都は反射的に顔を逸らした。

「……おはよ」

短く返す。

でも。

耳だけ赤かった。