─美形ストーカーの狂愛─歪んだ愛が迫り来る。



意味がわからなすぎて、黙り込んで目の前で嬉しそうにしている彼を見つめていると、ハッとしたようにまた口を開く。



「…………」



「そういえばさ、いつから俺の事好きだったの?乃愛から求めてくれるなんて思わなかったよ

あっ、もしかして……毎日乃愛って後ろを振り返って俺のこと気にしてくれてたよね?

もしかしてずっと両思いだったのかな?」



「……好き……?……両思い……?」



「俺から声をかければよかったよねー
乃愛から先に声をかけさせてごめんね?

でも安心して?乃愛の気持ちは昨日しっかりと受け止めたから、今日からはずっとそばに居るからね?」




口を開けば意味のわからないことばかりを言い出す彼。



ニコニコと嬉しそうに笑う目の前の彼が何を言っているのか、まったく理解できなかった。



彼の言う、好きってなに?私がってこと?どういうこと?両思いとは?



頭を混乱させながらも考えてみるけれど、彼の言っていることは全然わかんない……だめだ。


とりあえず、分かることといえば、目の前の黒木くんは何かを勘違いしているってことだ。


目の前でにこにこと笑う彼に言うのは、少しだけ気が引けたけれど……言葉を絞り出す。



「あ、あの……何か誤解してるような気がするんだけど……」



すると目の前の彼は、ゾクッとするほど冷たい顔に変わる。

まずいことを言ってしまったのかもしれないとすぐに後悔した。



「誤解……?俺の愛が伝わってないってこと……?それとも……まさか、両思いが……?」


「え?えと……な、なんでもない……です」



「両思いじゃないです」なんていえば殺されるような気がした……。

それぐらい恐ろしい目をしていた。



そして、恐ろしい雰囲気のまま真剣に悩む様子を見せる彼。



やばい……両思いじゃないと気づいたら殺される……?!

と、ビクビクとその様子を見守っていると



しばらく人を殺れそうな雰囲気で考え込んでいた彼は、急に雰囲気が優しくぱっと変わる。




「なるほど、そういう事ね

ねぇ乃愛、俺たちちゃんと両思いだから安心してよ。
やっぱり俺からじゃなかったから不安にさせたんだよね……?ごめんね……

でもこれからは不安になんてさせないから、安心して」




私の手をぎゅっと握り綺麗な顔で笑う彼は、恐ろしいほどに思考がおかしかった。



いや……思考がおかしいお陰で助かったとも言えるけれど……


とりあえず、バレてないことにほっとした私は、すごく複雑な気分で「……ははっ」と、苦笑いをする。




彼は、そんな私をすごく愛おしそうに見つめてくるのだった。