昨日のゾッとするほど美しい男の子が脳裏に浮かぶ。
「また明日ね」ってそういう事?!
つまり……、昨日のことは夢じゃない?!
驚いて彼を見つめていると
私の視線に気づいたのか、彼がゆっくりと私の方に振り返る。
ぱちっと目が合う私たち。
その瞬間、今までの恐ろしかった彼の雰囲気が明るく一気にぱぁぁぁっと変わる。
そして甘い雰囲気を放ちながら彼は私ににっこりと笑った。
「乃愛、おはよう」
「お、おはよう……黒木、くん?」
私の挨拶に目を丸くさせると喜びの顔を見せ、ガタンッ!!と席から立ち上がる。
私の隣では「ひいっ!知り合いなの?!」と声を出したちーちゃんは、関わりたくないと言わんばかりに、そそくさと自分の席に戻っていくのだった。
ちょっと、まってよ……ちーちゃんっ
私の願いも虚しく、黒木くんは嬉しそうに私の席までくると、私の席の前でしゃがみ込む。
そして、目の前で綺麗な顔をゆるませる彼がゆっくりと口をひらく。
「愁でいいよ。昨日から俺たちそういう関係になったんだから」
「え?えと……そういう関係?」
「そう。昨日俺の事呼んでくれたよね?そういう事だよね?
俺の事を頼ってくれる乃愛、可愛いかったなぁ……」
「えと……はい?」
「あぁ必死に俺を求めて叫んでる姿、思い出すとゾクゾクする……本当に可愛いかったよねぇ」
そう言って、私の机の前で昨日のことを思い出しうっとりとしている彼。
……そういう関係って、なんだろう?
彼には言葉が通じないのか欲しい答えは、一つも貰えなかった。
その上意味の分からないことばかりを言っている……。



