へたりと座り込む私と、一瞬で吹き飛びのびてしまった男。
「…っくそ!」
そんな声が聞こえると無事だった方の男は、吹き飛んだ男に駆け寄り、のびた男を担いで逃げていった。
彼らがいなくなると、急に静まり返る夜道。
私の目の前にいる恐ろしい雰囲気を放つ美形の男の子。
あ、ありがたいけど……この人が……
ストーカー……?
助かったはずなのに、次は目の前にいる得体の知れない彼への恐怖が込み上げてくる。
彼は腰を抜かして座り込む私に、ゆっくりと振り返る。
やっぱり彼は見とれてしまう程、綺麗だった。
とたんに、先程の恐ろしい表情から甘くとろけるような表情に一瞬で変わった彼は
「乃愛、やっと俺を呼んでくれたんだね?」
さっきも思ったけど……この人なんで私の名前を知ってるの?
得体の知れない恐怖に怖くて動けない私。
ゆったりと近づく彼は私の目の前までくると嬉しそうにしゃがみ込む。
そして、愛おしそうに私の頬に触れる手。
「頼ってくれて嬉しいなぁ。ねぇ……あいつら全員殺してこようか?」
ゾクッとするほど綺麗な笑顔で笑う彼の目は、多分本気だ。
恐怖で何も答えられない私に
彼は愛おしそうにうっとりとした顔をして、私の髪を掬うと唇を寄せる。
「愛してるよ乃愛。安心してよ、これからは誰も乃愛に触れさせないから
俺が一生守るよ」
そう言って綺麗に笑う彼に、私はただただ呆然とすることしか出来ないのだった。



