ちょっとまってよ……どうしよう……
……力が強いよっ
だれか……、だれかいないのっ?!
「……や、やめてくださいっ!」
「えー?何もしてないじゃん?」
誰も助けてくれる人なんていなくて手を引っ張られる私は、ニヤニヤと笑う男に人気のないところまで引きずり込まれた。
やばい、やばい、と焦る。
そんな時だった……
こんな状況だというのに、いつものあの気配と視線を感じる気がした。
誰だかわかんないけど
……見てるの?どこかにいるの?
私には、それがほんのちょっとの希望の光のように思えた。
今思えばおかしいけれど、それぐらい追い詰められていたんだと思う。
……私は、賭けてみることにした。
「ねぇ!!今日もいるんでしょ?!いるならお願いだから!!今すぐ私をたすけてよっ!!」
「……いいよ」
ゾッとするような美声が聞こえた。
それと同時に……
───ドスンッ!!!!
目の前の男が一瞬で吹き飛んでいく。
「……俺の乃愛に気安く触ってんなよ」
暗闇から出てきた目の前の男の子は、恐ろしいほどの殺気をはなっていた。
彼の容姿は、サラサラの黒髪に鋭い瞳。
みんなを虜にしてしまうんじゃないかと思うほど綺麗すぎる顔は、殺気もあいまって逆にゾッする。



