住宅街へ入る。 家まであと少し。 その時だった。 「姉ちゃーん!」 聞き慣れた声が響く。 緋色だった。 向こうから走ってくる。 「緋色」 「おかえり!」 そして。 美都を見る。 「あ!」 何か思い出した顔だった。 「病人のお兄さん!」 沈黙。 翡翠が吹き出す。 美都は眉をひそめた。 「誰が病人だ」