食事が終わる。
雨はまだ止まない。
窓の外を見ながら翡翠がぽつりと言った。
「すごい降ってるね」
緋色も窓を見る。
「ほんとだ」
少し沈黙が流れる。
そして翡翠が振り返った。
「神城くん」
「何」
「明日学校休みだし」
嫌な予感がした。
「泊まっていけば?」
「帰る」
即答だった。
緋色が立ち上がる。
「泊まろうよ!」
「帰る」
「泊まろうよ!」
「帰る」
「泊まろうよ!」
二人とも引かない。
美都は眉をひそめた。
「迷惑だろ」
その言葉に翡翠は少しだけ目を丸くした。
そして優しく笑う。
「迷惑じゃないよ」
その一言に美都は何も言えなくなる。
気付けば帰りたいと思えなかった。



