結局。
おにぎりを半分押し付けられた。
美都は黙って食べる。
翡翠は満足そうだった。
「神城くん」
「何」
「ちょっと顔色良くなった」
「そうか」
「うん」
嬉しそうに頷く。
美都は視線を逸らした。
そんなことで喜ぶ意味が分からない。
でも。
悪い気もしなかった。
その時だった。
「神城先輩!」
女子生徒が駆け寄ってくる。
生徒会の後輩らしい。
「書類ここに置いておきます!」
「ああ」
美都は受け取る。
後輩は翡翠を見る。
そして少し驚いた顔をした。
「先輩がお昼一緒にいる人初めて見ました」
沈黙。
翡翠が固まる。
美都も固まる。
後輩だけが首を傾げていた。



