君だけが俺の居場所だった


息が詰まる。

苦しい。

家の中にいたくない。

気付けば美都は家を飛び出していた。

雨の中を歩く。

向かった先はあの日と同じ公園だった。

ベンチへ座る。

雨が降っていて制服が濡れる。

それでも動けなかった。

スマホを取り出す。

翡翠の名前が表示される。

指が止まって連絡はできなかった。

どれくらい経っただろう。

足音が聞こえて顔を上げる。

そこにいたのは翡翠だった。

傘を差して立っている。

「……なんでいる」

掠れた声で聞く。

翡翠は少し困ったように笑った。

「ここにいる気がした」

その言葉に胸が大きく揺れた。

雨は降り続いている。