昼休み。
美都はいつものように教室を出た。
階段の踊り場。
窓際の定位置。
雨の日によく座っていた場所だ。
今日は曇りだった。
それでもここは落ち着く。
壁にもたれながら外を見る。
静かだった。
一人の時間。
そのはずだった。
「やっぱりここだった」
聞き慣れた声がした。
美都はゆっくり振り返る。
翡翠だった。
紙パックのジュースを持っている。
「何してる」
「探してた」
即答だった。
美都は眉をひそめる。
「なんで」
「昼ご飯」
意味が分からない。
翡翠は当たり前みたいに隣へ座った。
「はい」
パンを差し出してくる。
「いらない」
「いる」
「いらない」
「いる」
また始まった。



