静かだった。 さっきまで聞こえていた声がない。 キッチンから物音もしない。 誰もいない。 いつもの部屋。 いつものはずなのに。 美都はしばらく玄関に立ち尽くしていた。 「……」 ソファへ戻る。 部屋を見回す。 綺麗になったテーブル。 まとめられたペットボトル。 残された痕跡。 それを見た瞬間。 胸の奥が少しだけ苦しくなった。 寂しい。 そんな感情じゃない。 はずだった。 でも。 静かになった部屋が。 少しだけ嫌だった。