君だけが俺の居場所だった


再び静かになる。

美都は部屋を見回した。

人の気配がある。

話し声がある。

誰かがいる。

それが妙に落ち着かなかった。

そして。

少しだけ心地良かった。

「……帰ればいいのに」

ぽつりと呟く。

翡翠がこちらを見る。

「帰ってほしかった?」

美都は答えない。

答えられなかった。

すると翡翠はふっと笑った。

「じゃあよかった」

その言葉に。

美都は何も言えなくなる。

帰ってほしくなかった。

そんなこと認めるつもりはない。

けれど。

翡翠がまだここにいることに。

少しだけ安心している自分がいた。