君だけが俺の居場所だった


放課後になって美都は生徒会室にいた。

書類の確認や来月の行事の準備。

いつも通りの仕事だった。

「神城先輩」

後輩が声を掛けてくる。

「何」

「最近機嫌良いですよね」

美都は手を止めた。

「は?」

意味が分からない。

「前より話しやすいです」

「気のせいだ」

「そうですかね?」

後輩は笑っていたけど納得できなかった。

仕事が終わる頃外は曇りだった。

雨は降っていない。

美都は校門へ向かうその途中だった。

「あ」

聞き慣れた声。

翡翠だった。

友達と話している。

楽しそうに笑っている。

美都は足を止めた。

別に用はない。

だからそのまま通り過ぎればいい。

そう思った。

なのになぜか視線が離れなかった。