君だけが俺の居場所だった


帰り道。

雨音が響く。

でも。

今日は違った。

翡翠が隣にいる。

手も繋いでいる。

なのに。

足りなかった。

もっと近くにいてほしい。

もっと。

自分だけを見てほしい。

そんな感情が胸を埋める。

「神城くん?」

翡翠が振り返る。

美都は立ち止まっていた。

雨が傘を叩く。

静かな時間。

そして。

美都がぽつりと言った。

「……違う」

翡翠が首を傾げる。

「え?」