翌日。 台風は過ぎ去った。 空は青い。 久しぶりの晴れだった。 でも。 美都の頭の中は晴れていない。 昨夜の電話。 「一人でいたくない」 「どこにも行くな」 全部。 翡翠に知られている。 思い出すだけで死にそうだった。 昼休み。 いつもの踊り場。 翡翠は先に来ていた。 パンを持っている。 美都を見る。 そして。 いつものように笑った。 「おはよ」 昼なのに。 美都は少し眉を寄せる。 「昼だ」 「細かいなあ」 笑う。 その顔を見るだけで。 胸がうるさい。