「ひすい」 もう一度呼ぶ。 「うん」 すぐ返ってくる。 待っていてくれる。 それが嬉しかった。 だから。 ようやく言えた。 小さな声で。 掠れた声で。 「……一人でいたくない」 沈黙。 数秒。 長い沈黙だった。 言わなきゃよかった。 そう思いかけた時。 翡翠の声が聞こえた。 「うん」 優しい声だった。 責めない。 困らない。 笑わない。 ただ。 受け止める声。 「大丈夫」 そして。 続ける。 「一人にしないよ」