その夜。 台風は予報通りだった。 窓を叩く雨音。 唸るような風。 家全体が揺れている気がする。 美都はベッドの上にいた。 電気は消えている。 でも。 眠れなかった。 目を閉じる。 すると。 嫌な記憶が浮かぶ。 雨の日。 暗い部屋。 一人。 泣いていた自分。 大丈夫。 今は違う。 そう言い聞かせる。 でも。 胸のざわつきは消えなかった。