女子は笑う。
「そっかー」
全然信じてない顔だった。
そして去っていく。
静寂。
残された二人。
気まずい。
でも。
手は離れていない。
誰も離さない。
離せない。
「……」
「……」
お互い顔を見られない。
そして。
翡翠が小さく笑った。
「勘違いされたね」
美都は前を向いたまま答える。
「そうだな」
少し間。
雨音だけが響く。
そして。
美都がぽつりと言った。
「……別に」
翡翠が顔を上げる。
「ん?」
美都は耳を赤くしたまま。
視線を逸らす。
「嫌じゃなかった」
その瞬間。
翡翠の心臓が止まりそうになった。



