君だけが俺の居場所だった


その言葉に。

何も言えなくなる。

意味なんて分かる。

雨の日の苦しさ。

不安。

怖さ。

全部。

一人で抱えなくていいってことだ。

数秒。

沈黙。

そして。

美都はゆっくり手を伸ばした。

そっと。

翡翠の手に重ねる。

温かかった。

驚くほど。

温かかった。

「どう?」

翡翠が聞く。

美都は視線を逸らした。

耳だけ赤い。

「……少し」

小さく答える。

「少し楽」

翡翠は嬉しそうに笑った。

窓の外では雨が降り続いている。

それでも。

今日は怖くなかった。

手の中の温もりがある。

そして。

自分の苦しさを半分持とうとしてくれる人がいる。

その事実だけで。

美都は少しだけ救われていた。