君だけが俺の居場所だった



「ふーん」

翡翠はそう言った。

そして。

突然右手を差し出した。

美都が固まる。

「……何してる」

「手」

意味が分からない。

翡翠は少し笑った。

「貸して」

「嫌だ」

即答だった。

でも。

声に力がない。

「神城くん」

翡翠は優しく笑う。

「雨の日だけ」

美都の心臓が跳ねる。

「特別」

その言葉に。

呼吸が止まりそうになる。

翡翠はもう一度手を差し出した。

そして。

少し照れたように笑う。

「一人で頑張らなくていいから」

美都の瞳が揺れる。

「今日は半分こ」