「神城さんさ」 緋色がにやにや笑う。 嫌な予感しかしなかった。 「姉ちゃんのこと好きじゃん」 沈黙。 完全な沈黙。 翡翠の顔が一気に赤くなる。 美都は数秒黙った。 そして。 小さく目を逸らした。 否定しない。 その事実に。 翡翠の心臓が大きく跳ねた。 「え」 緋色も固まる。 予想外だったらしい。 いつもなら。 即答で否定する。 怒る。 睨む。 それがお決まりだった。 でも。 今日は違う。 「神城さん?」 緋色が聞く。 美都は答えない。 代わりに。 小さくため息を吐いた。