でも。
美都は笑わなかった。
からかいもしなかった。
ただ。
胸の奥が熱かった。
そんなこと。
知らなかった。
自分が思っていた以上に。
翡翠は自分を見ていた。
気にかけていた。
大事にしていた。
「……そうか」
小さく呟く。
それだけだった。
でも。
その声は少しだけ優しかった。
翡翠が顔を上げる。
目が合う。
数秒。
誰も喋らない。
緋色だけが不思議そうだった。
「なんで二人とも黙るの?」
空気が読めなかった。
いや。
読んでいてわざとやっている気もする。
どちらにしても厄介だった。
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